介護職の仕事とバーンアウト

介護職の仕事内容は、主に身体介護と生活援助に分類されます。身体介護は排せつや入浴の補助など身体接触を伴う業務で、力仕事の要素も多いです。そのため、介護職に就いている人は腰痛を患いやすいです。生活援助はその名の通り、掃除や食事の準備といった身体接触のない業務がほとんどです。業務内容は違いますが、どちらも利用者への思いやりや細かな気遣いなどが必要になります。また、過度なクレームやハラスメントといった、人を相手にしているが故のストレスを抱えることもあるでしょう。そういったことが積み重なって過度なストレスを抱えた結果、不眠症やバーンアウトに陥る人もいます。

バーンアウトは、過度なストレスにより意欲が失われ、社会に適合するのが難しくなる状態のことをさします。心をすり減らしながら必死に仕事をした結果、情緒的エネルギーが枯渇してしまった場合に発症します。情緒的エネルギーがなくなると、他者への思いやりや気遣いをしなくなります。その結果、人間関係や職務がうまくいかなくなり、社会に適合できなくなるのです。症状が悪化すると仕事ができなくなり休職や退職になるケースもあるため、症状が見られたらすぐにバーンアウトからの回復に努めることが大切です。

バーンアウトはどの職業でも起こり得るものですが、介護職は前述にもあるように、利用者への思いやりや気遣いが必要な職業です。情緒的エネルギーの消費が激しいところに、力仕事による身体的疲労が加わってくるので、必然的にバーンアウトが発生しやすい状況になります。必ずしも発症するわけではありませんが、睡眠をしっかりとって心身の休息を図り、発症を予防するといいでしょう。